2003年2月28日
長野県および長野県漁場管理委員会御中
ジャパンゲームフィッシュ協会会長 岡田順三
「ブラックバス等外来魚のリリース禁止について」
今回の「採捕したブラックバス等のリリース禁止(再放流の禁止)の規則」については、その目的の是非および釣り人に負担させる手法に関して我々釣り人団体として同意できぬ内容となっており、当協会として強く反対いたします。いわゆる外来魚のリリース禁止といった規則は、これまで一部の都道府県の内水面漁場管理委員会による一方的ともいえる委員会指示や、この春、多くの反対意見を無視し施行される琵琶湖の「外来魚再放流の禁止」条例という形で発令された経緯があり、釣り人や釣り人団体、釣り具業界との充分な話し合いがなされぬままさまざまな問題やあつれきが生じております。(現在、漁場管理委員会指示の発令には、トラブルの無いよう当事者の理解を得られる慎重な協議が求められているはずです。)また、すでに同様の委員会指示が出されている水域においてもその本来の目的である外来魚の駆除の効果はほとんど表れていません。そもそもブラックバスが全ての水域で生態系破壊を引き起こすようなことは考えにくく、他の魚類と共生し遊漁者にも大変親しまれ有効利用されている水域も多く存在します。当然、有効利用も含めた水域ごとの慎重な検討が必要と考えます。在来生態系といわれる生物相がいつまでに移入された種までなら良いのかといった根本的な問題も含んでおり、充分な論議および結論に至っているとは到底思えないのが現状です。さらに今回の規則のように「リリース禁止=殺せ」というような釣り愛好者の手によってその対象である魚を駆除するという考え方には非常に無理があり、精神的にも堪え難い苦痛を強いられることは明らかです。とくにブラックバス釣りは当協会も推進する「リリースを前提としたスポーツフィッシング」の代表的釣りジャンルであり、釣った魚を食すという釣りのジャンルとは全く違う楽しみ方として日本に根付いております。そのような背景を無視した今回の「採捕したブラックバス等のリリース禁止(再放流の禁止)の規則」は、釣り人の感情を無視した圧力的な規則として断固反対の意を表明せざるを得ません。自然環境の保護や漁業とのバランスを考えたうえでの外来魚の管理に関して、釣り人も理解しえる内容を今後さらに議論し再考していただきたいと切にお願い申し上げます。
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