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7/19-22「第30回下田国際カジキ釣り大会(JIBT)」結果レポート


今年で記念すべき第30回を迎えたJIBT。3日間でなんと大会史上最高の77本のカジキがあがりました。初日だけで41本、これも1日の釣果としては最高を記録しました。

●開催日:2008年7月19日~22日(19日:前夜祭)
●開催地:静岡県下田港およびその沖合
●参加チーム:111チーム(124チームのうち、13チームキャンセル)
●参加選手:574人(釣りをしないゲスト、スタッフ、関係者含め総計750名)
●参加艇:111艇(地元チャーターボート(遊漁船)17、オーナーボート94)

【概況】
今年は、記念すべき30回大会。IGFAからプレジデントのロブ・クレイマー夫妻を迎え、大会2日目の7/21には、「かじきミュージアム」のオープニングセレモニー、また、ロブ・クレイマー氏による「レクリエーショナルフィッシングと釣り資源の保全管理」をテーマにした「公開講座」も開かれました。また、これまでJGFAやJIBTに多大な貢献をされたスポンサーならびに下田市、下田市漁協などの地元団体、そして個人にIGFAからの感謝状を贈呈する「昼食会」がこの日のお昼にロブ・クレイマー夫妻を囲んで行われました。
そして、それに先立つ7月19日には、地元の小学生を対象としたボランティアクルージングを開催、そして夜には地元下田市関係者の皆さんの絶大なご支援を得て盛大な「前夜祭&花火」が催されました。また、大会期間中は「道の駅開国下田みなと」周辺で「下田マリンフェスティバル」が同時開催され、地元の皆さん、大会参加者、それに観光客も交え、にぎやかに行われました。

釣りの方では、大会1週間前になって黒潮が急激に大会エリアに接近、心配された台風7号も進路が大陸にそれ、19日に梅雨明けとなったことで最高のコンディションの中行われました。黒潮の接近で水温も26℃~28℃と高く、水色も最高で、予想通り、初日から驚くほどのカジキがヒット。大会史上最高の釣果に恵まれ、3日間とも常にどこかのボートがカジキとファイトしている状況でした。その結果、初日41尾、2日目18尾、3日目18尾の計77尾のカジキが釣られました。そのうち、51尾はタグ&リリースされ、検量に持ち込まれたのは、26尾でした。
検量に持ち込まれたカジキは独立行政法人・遠洋水産研究所の研究員の方によって検体調査され、貴重なデータを得ることができました。

優勝は、1日目にマカジキ、クロカジキ各1尾の計2尾、3日目にクロカジキ2尾、合計4尾のカジキをタグ&リリース(以下T&R)した「ソルティー」(チーム名「チーム ソルティー」チームキャプテン:秋広 重幸さん)。やはり数多くカジキが釣れた第23回大会(52尾)の時は、惜しくも2位でしたが、今回リベンジを果たし念願の初優勝、静岡県知事賞と来年のハワイHIBTへの出場権を獲得しました。
2位は毎日コンスタントにクロカジキを1尾ずつT&R した「ミス リバティー」(チーム名「ピンクドラゴン」チームキャプテン:趙炫済さん)で、過去2回優勝のベテランらしさを存分に発揮しました。
3位は2日目になんと3尾のクロカジキをT&Rした「ブルーウォーター」(チーム名:ブルーウォーター,チームキャプテン:佐々木公明さん)でした。3日目に1尾でもクロカジキをT&R すれば優勝でしたが残念でした。

それにしても凄まじい釣果に沸いた3日間でした。IGFAのロブ・クレイマー会長も日本のトーナメントでこんなにカジキが釣れるとは・・・本当にビックリされたようで、さらには徹底されたIGFAルールとT&R率の高さにも感動され、21日にオープンした「かじきミュージアム」などの印象とともに“近い将来、SHIMODAが世界のビッグゲームの中心なるかも知れない・・・”とコメントされていました。
(写真提供:鈴木克宏さん、武田兼喜さん)

●3日間のカジキデータ
月/日
ストライク数
タグ&リリース(尾)
キャッチ(尾)
合計
2008/7/20
80
29
12
41
2008/7/21
42
42
8
18
2008/7/22
38
38
6
18
合計
160
51
26
77
★釣果のあったチーム:49チーム/111チーム
★カジキのストライクがあったチーム:79チーム/111チーム


●表彰結果(団体総合) T&R:タグ&リリース
順位
チームNO.
チーム名
合計ポイント
備考
1位
79
チームソルティー
787.5
7/20クロカジキT&R(50lbライン×1尾)マカジキT&R(50lbライン×1尾)
7/22クロカジキT&R(50lbライン×2尾)
2位
7
ピンクドラゴン
630
7/20クロカジキT&R(50lbライン×1尾)
7/21クロカジキT&R(80lbライン×1尾)
7/22クロカジキT&R(50lbライン×1尾)
3位
22
ブルーウォーター
612.5
7/21マカジキT&R(2日目ファーストマーリン・50lbライン×1尾)、クロカジキT&R(50lbライン×2尾)

●表彰結果(個人総合) T&R:タグ&リリース
順位
アングラー名
チームNO.
チーム名
ポイント
備考
1位
杵渕 貴寧(たかね)
11
TEAM 海援隊
456.3
7/20クロカジキT&R推定100kg(50lbライン)
7/21クロカジキ154.2kg(50lbライン)
2位
廣瀬 文乃(あやの)
87
ブルーウォーター 月島みはらし 
450
7/20クロカジキT&R推定150kg(50lbライン)
7/20クロカジキT&R推定100kg(50lbライン)
3位
露木 俊也
16
ホワイトロータス
450
7/20クロカジキT&R推定120kg(50lbライン)
7/22クロカジキT&R推定130kg(50lbライン)
(3位は450ポイントで3人が並んたが大会ルールにより釣った時刻の早い方を優先)

【ポイント計算】
a.タグ&リリース(T&R)マカジキ、バショウカジキ、フウライカジキ75ポイント
 クロカジキ、シロカジキ、メカジキ150ポイント
b.ラインクラスハンディ24kg(50lb)×1.5
 37kg(80lb)×1.2
 60kg(130lb)×1.0
c.ファーストマーリンポイント(毎日) +50ポイント
d.計算式ポイント=タグ&リリースポイント(または検量重量kg)×ラインハンディ

※各日のファーストマーリンには50ポイントが加算されます。
※130kg以下のクロカジキ、シロカジキ、メカジキ、50kg以下のマカジキ、20kg以下のフウライカジキ、バショウカジキを検量に持ち込んだ場合、検量ポイントは1/2となります。
1.優勝チーム「チーム・ソルティー」
1日目、3日目と2本ずつ、計4本のカジキをタグ&リリー
スし、見事優勝しました。ボート:「ソルティー」(チーム
キャプテン:秋広重幸さん)
マカジキT&R推定40kg、クロカジキ推定110kg(1日目)・
クロカジキ推定110kg2本(3日目)計4本。
釣った場所:1日目アオネ、3日目:ウドマアワセ
2.チーム第2位「ピンクドラゴン」
3日間コンスタントに1本ずつ、計3本のクロカジキを
タグ&リリースし、過去2回優勝のベテランらしい戦
いぶりでした。ボート:「MISS LIBERTY」(チームキ
ャプテン:趙炫済さん)
3.チーム第3位「ブルーウォーター」
2日目(7/21)のファーストマーリン、マカジキ推定40㎏を手始
めに、この日3本のカジキをタグ&リリースし、単独トップに
立ったものの最終日に釣果なく惜しくも3位に終わりました。
もう1本が出なくて残念でした。
ボート:「ブルーウォーター」(チームキャプテン:佐々木公明さん)
4.「カジキとのファイト」
1日目から大会史上最高のカジキラッシュとなりました。
こんなシーンが下田沖10㎏の沖合いで見られるなんて
すごいですよね。ボート:「FANTASIA」(チームキャ
プテン:池田賢二さん)
5.「カジキのジャンプ」
カジキ釣りはこのジャンプあってこそ。豪快なジャンプを
あなたも味わってみませんか。
下田・須崎で今からでも遊漁船をチャーターすればいいのです。
ボート:「クレージーボーイ」(チームキャプテン:佐藤正樹さん)
6.「スモールボートとクロカジキ」
111チーム中、最小ボートがこの「KANTAMARU」
23フィートでした。今回は、行き帰りを含めて
ベタナギのコンディションだったのでスモール
ボートでも十分に戦えましたが下田沖はひとた
び荒れればこうは行きません。「KANTAMARU」
(チームキャプテン:田中俊彦さん)は、クロ
カジキ3本をタグ&リリースしましたが惜しく
も4位でした。
7.「地元遊漁船とカジキ」
今回は地元遊漁船が17艇が出場。ほとん
どの船にカジキのヒットがありました。
「すさき丸」のクロカジキ。(チーム:中日
トローリングクラブ(B))
8.「最大魚」
1日目(7/20)にクロカジキ163.3kgを上げ、これが今大会
の最大魚となりました。アングラーの岩間一実(ひとみ)
さんは、「西川龍三賞(最大魚賞)」に輝きました。50lbラ
イン。ファイトタイム:6時間7分
釣った場所:「下田沖アオネ」
ボート:「ナチュラル」(チームキャプテン:岩間渉さん)
9.「検量&検体調査」
キャッチされたカジキはJGFA公認審査員
の手によって正確に検量されます。その
後、遠洋水産研究所のスタッフによって
性別、食性(胃内容物)、年齢などのデ
ータを集めるため検体調査が行われました。
10.「ボランティアクルージング」
大会前日の7/19に地元小学生を対象に、参加艇が
ボランティアで体験クルージングを行いました。
初めて乗るボートにみんな大喜びでした。
11.「前夜祭」
7/19夕方より、地元の商店街の皆さんで結成された
「下田カジキサポートクラブ」の絶大なる支援を受
けて下田漁協の市場をお借りして前夜祭が行われました。
参加チームからは食材を提供していただいたり、ボランテ
ィアで露店で腕を振るっていただいたりして、本当にあり
がとうございました。厚く御礼申し上げます。
IGFAのロブ・クレイマー会長ご夫妻も楽しんでました。
12.「花火」
30回を記念して前夜祭の最後は花火で
締めくくりました。
明日からの大会が成功しますように。
13.「開会式のお払い」
大会初日のスタート前、大会の安全とカジキがたくさん
釣れますように、そして大会全体の成功を祈って恒例の
お払いをしました。玉串奉奠(ほうてん)する岡田順三
JGFA会長と、ロブ・クレイマーIGFA会長。
14.「ロブ・クレイマーIGFA会長を囲んで昼食会」(1)
大会2日目(7/21)のお昼に、今大会のために来日した
ロブ・クレイマーIGFA会長ご夫妻を囲んで、お世話に
なっている地元の関係者&スポンサーの方々をお招き
して歓迎昼食会を開きました。
15.「ロブ・クレイマーIGFA会長を囲んで昼食会」(2)
この昼食会の折、IGFAの精神を伝えるJGFAの活動や、
世界共通のスポーツフィッシングルールであるIGFA
ルールの普及、さらにそのフェアプレイ精神を伝える
日本最大のカジキ釣り大会「JIBT」に絶大なるご支援
をいただいた関係者、スポンサーの方々にIGFAからす
ばらしい表彰状が贈られました。写真は渡邊下田市副
市長(左)と、ロブクレイマーIGFA会長。
16.「ロブ・クレイマーIGFA会長を囲んで昼食会」(3)
IGFAからの感謝状を受賞された方々を前に記念撮影。
JGFAからは、正副会長、IGFAレップ(IGFA国際委員)
のメンバーが出席いたしました。
17.「かじきミュージアム・オープニングテープカット」
カジキの博物館が日本のカジキ釣り発祥の地、下田に完成。
大会2日目(7/21)の夕方に、お披露目となりました。
テープカットは、渡邊下田市副市長、岡田順三JGFA会長、
ロブ・クレイマーIGFA会長。(左から)
18.「かじきミュージアム」
多くの方々の協力により、30回JIBTにやっとの思いでオー
プンが間に合いました。大きなカジキのレプリカ、日本近
海に生息するカジキの種類と生態、釣り方、種類ごとの
世界記録と日本記録、JIBTの歴史、トローリング用品、ト
ローリングボートのレプリカなどカジキのすべてが分かり
ます。場所は、開国下田みなと・下田ベイステージ4Fです。
ぜひご来訪を!
19.「ロブ・クレイマーIGFA会長の公開講座」
かじきミュージアム・オープニングセレモニーのあと、
今度は、ロブ・クレイマーIGFA会長による公開講座「レクリ
エーションフィッシングと釣り資源の保全管理」が始まり
ました。会場:下田ベイステージ第3会議室
20.「ロブ・クレイマーIGFA会長の公開講座」2
パワーポイントを使ってビジュアルに説明をして
いただきました。原稿を日本語に翻訳していただ
いた東知憲さん(JGFA常任理事、IGFAレップ)、
ありがとうございました。
21.「ロブ・クレイマーIGFA会長の公開講座」3
特に釣り人ができることとして、キャッチ&リリース、
呑み込まれないでリリースしやすいサークルフック(丸
い形状のネムリバリ)の使用や釣具の理性的な制限、
バッグリミット(持ち帰る釣果の規制)などを強調、JGFA
の主張と連動したセミナーとなりました。
22.「ミスビルフィッシュ」
30回記念大会に華を添えてくれたミスビルフィッシュ。
佐伯友さん(左)と筑間はこべさん。
23.「個人総合1~3位」
栄誉ある30回記念大会・個人総合の上位をゲットしたアン
グラー。一人置いて左より、3位・露木俊也さん(ホワイト
ロータスFC)、個人優勝・杵渕貴寧(たかね)さん(TEAM
海援隊)、2位・廣瀬文乃(あやの)さん(ブルーウォータ
ー月島みはらし)の皆さん。
24.団体総合優勝「チーム・ソルティー」
記念すべき30回大会の優勝は「チーム・ソルティー」
(ボート:ソルティー、チームキャプテン:秋広重幸さん)。
同点でも釣り上げた時間差で2位となった23回大会(2001年)の
リベンジを果たし、初優勝。静岡県知事賞と、来年のハワイ
HIBT出場権を獲得しました。
25.フィナーレ
表彰パーティーの最後に実行委員を代表してBOL全国幹事長・
野澤隆之さんから閉会の挨拶が・・。
「30回の節目の大会がIGFAからロブ・クレイマー会長ご夫妻
を迎え、このようにすばらしい釣果に恵まれ、大成功に終わ
りました。これもひとえに皆さんのご支援、ご協力、そして、
ここに並んだ実行委員の献身的な努力の賜物です。皆さんから
ぜひ実行委員のメンバーにねぎらいの拍手をお願いいたします。
彼らの存在なくしてJIBTは運営できません。これからも実行委員
一同、がんばっていきたいと思います。
「かじきミュージアム」の建設にあたってデザイン、レイアウ
ト、設置と、特にボナデアの和田恵さんにたいへんお世話にな
りましたことをご報告いたします。
最後に、地元下田の皆さん、多大なご協賛を賜りましたスポン
サーの皆さんのご支援のおかげで無事に大会を終えることがで
きました。心より厚く御礼申し上げます。
また、来年、下田のカジキと皆さんにお会いいたしましょう。」