【スズキの最長再捕期間記録が更新されました!(8年7ヶ月)】
JGFAでは、1985年からタグ&リリースが行われるようになりましたが、つい最近、大分県大野川で再捕されたスズキが、従来のスズキの最長再捕期間を更新しました。スズキの従来の最長再捕期間は2,053日(5年7.5ヶ月)でしたが、このほど再捕されたスズキは3,135日(8年7ヶ月)経過しており、大幅な記録更新となりました。
この魚をタグ&リリースしたのは汐月亮太さん(元会員)。再捕したのは、大分県にお住まいの松木孝之さんでした。
全魚種の中では、一番長い再捕獲期間は、ヒラスズキの3,279日(約9年)、2番目が同じくヒラスズキの3,258日(約8年11ヶ月)ですが、今回再捕されたスズキはそれに続く第3位となりました。
【再捕した松木さんのコメント】
「この日も丁寧に岸際やブレイクラインを探っていると釣れてくれました。写真を撮った後、タグが付いていないないかよく見てみると、コケまみれのタグが!。ツメで汚れを落としそれでも記号がよく見えないので、写メで保存し拡大して確認。今年三本目のタグ付きです。先日届いた再捕結果の報告を見ると、かなりの年月が経ってからの再捕だったようで、これまた知人がリリースした魚です。JGFAさんやその会員の方々の地道な活動を肌で感じ、感慨深いものがありました。このスズキは再捕後、タグ付きのまま再リリースしました。さらに長生きしてほしいです。」
★今回再捕されたスズキのデータを含め、最捕期間が700日を越える魚のタグ&リリースデータを表にまとめてみました。
一番下からダウンロードできますのでぜひご覧ください。
【成長と年齢】
今回のスズキ、初回放流は2011年1月28日、叉長56m(全長60cm)でした。それから8年7ヶ月もの長い間、このスズキは生き続けていました。放流時点で叉長56cmということはこれまでの調査結果でそれまでに少なくとも5年経っていることがほぼわかっていますので、そこからさらに8年7ヶ月ですから、年齢は13~14才程度になっていたということになります。
【移動】
放流場所は大分県大野川の下流域。再捕場所は、放流地点から約3km上流でした。河川に入るスズキの移動は2019年版のJGFAイヤーブック(年鑑)でご紹介したように、「同じ河川を行ったり来たりしている」ことが明らかにされました。ですから、今回再捕されたスズキも、冬になると産卵のため海に下り、そして水温が上がると大野川に入ってくることを毎年繰り返していたようですね。
茨城県常総市や守谷市の鬼怒川に遡上したスズキ(利根川河口から数十キロ上流です。)が冬には水温低下とともに産卵行動で海に降り、また水温が上がると遡上し、同じ場所で再捕されたという例が4個体もあり、そのことを裏付けています。
2019年版JGFAイヤーブック(p-20~22)にご紹介した「スズキの河川の移動のレポート」は当協会のメンバーであり、大分県農林水産部の景平真明さんに寄稿していただきましたが、景平さんの締めくくりのコメントが深く心に刻まれます。
『河川を利用するスズキの個体数が全体の一部であったとしても、個体ごとに定まった河川を利用しているならば河川内の個体数が大きくない限り、過度な捕殺はその河川での釣れ具合の低下や小型化を招く恐れがあります。ですから、河川のスズキ釣りにおいて「適切なキャッチ&リリース」は持続的な釣場の保全にとても有効な方法であると私自身は確信しています。』
★20数年前、大野川は全国的に見ても大型スズキの比率が高く、素晴らしい釣場を形成していました。そこで大分在住のチーム・バホバホのメンバーの皆さんはこの素晴らしい釣場を維持しようという志のもと、今から25年前の1994年、大野川や大分川のスズキをターゲットにタグ&リリースを開始しました。しかし、ここ数年は以前のようには釣れなくなったという声が聞かれるようになりました。残念なことですが、でも、まだまだ優れたフィールドであることは変わりません。。今回再捕されたスズキは、この素晴らしい釣場とスズキたちを将来にわたって維持していくことがいかに大切かを示してくれた1尾になったことでしょう。
この魚をタグ&リリースしたのは汐月亮太さん(元会員)。再捕したのは、大分県にお住まいの松木孝之さんでした。
全魚種の中では、一番長い再捕獲期間は、ヒラスズキの3,279日(約9年)、2番目が同じくヒラスズキの3,258日(約8年11ヶ月)ですが、今回再捕されたスズキはそれに続く第3位となりました。
【再捕した松木さんのコメント】
「この日も丁寧に岸際やブレイクラインを探っていると釣れてくれました。写真を撮った後、タグが付いていないないかよく見てみると、コケまみれのタグが!。ツメで汚れを落としそれでも記号がよく見えないので、写メで保存し拡大して確認。今年三本目のタグ付きです。先日届いた再捕結果の報告を見ると、かなりの年月が経ってからの再捕だったようで、これまた知人がリリースした魚です。JGFAさんやその会員の方々の地道な活動を肌で感じ、感慨深いものがありました。このスズキは再捕後、タグ付きのまま再リリースしました。さらに長生きしてほしいです。」
★今回再捕されたスズキのデータを含め、最捕期間が700日を越える魚のタグ&リリースデータを表にまとめてみました。
一番下からダウンロードできますのでぜひご覧ください。
【成長と年齢】
今回のスズキ、初回放流は2011年1月28日、叉長56m(全長60cm)でした。それから8年7ヶ月もの長い間、このスズキは生き続けていました。放流時点で叉長56cmということはこれまでの調査結果でそれまでに少なくとも5年経っていることがほぼわかっていますので、そこからさらに8年7ヶ月ですから、年齢は13~14才程度になっていたということになります。
【移動】
放流場所は大分県大野川の下流域。再捕場所は、放流地点から約3km上流でした。河川に入るスズキの移動は2019年版のJGFAイヤーブック(年鑑)でご紹介したように、「同じ河川を行ったり来たりしている」ことが明らかにされました。ですから、今回再捕されたスズキも、冬になると産卵のため海に下り、そして水温が上がると大野川に入ってくることを毎年繰り返していたようですね。
茨城県常総市や守谷市の鬼怒川に遡上したスズキ(利根川河口から数十キロ上流です。)が冬には水温低下とともに産卵行動で海に降り、また水温が上がると遡上し、同じ場所で再捕されたという例が4個体もあり、そのことを裏付けています。
2019年版JGFAイヤーブック(p-20~22)にご紹介した「スズキの河川の移動のレポート」は当協会のメンバーであり、大分県農林水産部の景平真明さんに寄稿していただきましたが、景平さんの締めくくりのコメントが深く心に刻まれます。
『河川を利用するスズキの個体数が全体の一部であったとしても、個体ごとに定まった河川を利用しているならば河川内の個体数が大きくない限り、過度な捕殺はその河川での釣れ具合の低下や小型化を招く恐れがあります。ですから、河川のスズキ釣りにおいて「適切なキャッチ&リリース」は持続的な釣場の保全にとても有効な方法であると私自身は確信しています。』
★20数年前、大野川は全国的に見ても大型スズキの比率が高く、素晴らしい釣場を形成していました。そこで大分在住のチーム・バホバホのメンバーの皆さんはこの素晴らしい釣場を維持しようという志のもと、今から25年前の1994年、大野川や大分川のスズキをターゲットにタグ&リリースを開始しました。しかし、ここ数年は以前のようには釣れなくなったという声が聞かれるようになりました。残念なことですが、でも、まだまだ優れたフィールドであることは変わりません。。今回再捕されたスズキは、この素晴らしい釣場とスズキたちを将来にわたって維持していくことがいかに大切かを示してくれた1尾になったことでしょう。
再捕期間の長いもの(700日以上) (143.5KB)
JGFAタグ&リリースプログラムで「スズキ」の最長再捕期間を更新した魚体。放流時点で叉長56cm、その後8年7ヶ月後に叉長75cm に成長。(写真提供:松木孝之さん。以下の写真も同じ)
コケを落としたらタグ番号が見えました。
コケがビッシリついていたタグです。よく見ないとタグが付いているかどうかわからない状態でした。何しろ、8年7ヶ月も経過していたのですから。このコケをツメではがしたら上の写真のように番号が読めました。